人工肛門 ストーマは20世紀になって世界中に広まった治療法でした.確かに、たくさんの患者さんを救った手術でした.
しかし、これ自体が患者さんに新たな苦痛を与えることになったのも事実です.
1908年、英国の外科医Milesが腹会陰式直腸切断術を発表し、以来、それに伴う人工肛門 ストーマは直腸癌手術の避けがたい犠牲と考えられてきました.しかし、オストメイト(人工肛門をつけられた方)の精神的かつ肉体的苦痛は想像を絶するものです.
私は、人工肛門 ストーマは、それ自体が患者を苦しめる病なのだと認識することから出発し、あえて、人工肛門 ストーマを、20世紀になって出現した疾患という意味で、「二十世紀病」と名づけ、その廃絶をめざして、新肛門手術を研究開発してきました.
動物実験から16年、そして、臨床応用から13年が経過し、今後とも工夫と改善がされるべきものではありますが、人工肛門 ストーマが直腸癌手術の避けがたい犠牲と考えられてきた、この100年を振り返るとき、本術式の意義は、大きいといえると思います.
このホームページは、直腸癌と診断され、これから手術を受けようという方と、既に直腸癌で手術を受け人工肛門 ストーマをつけられている方(オストメイト)へ、人工肛門 ストーマから開放されるための情報を提供します.
〔この情報は、この手術を唯一行っている「さいたま新開橋クリニック」が発信しています。〕
さいたま新開橋クリニック(048-795-4760)のサイトはこちらをクリックしてください。
目次
扉の言葉
第1章 直腸がんを治し人工肛門を避ける(大腸がんの説明)
第2章 人工肛門をなくす手術が開発されるまで
第3章 人工肛門をなくす手術の概略
第4章 人工肛門のない生活
第5章 文献紹介
第6章 自己紹介に代えて
第7章 すでに人工肛門を付けている方へ