「お尻から血が出たり、膿が出たり、痛かったり、変な感じがしたり」 そんな時は、肛門の病気かもしれません
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一生の間に、こんな症状が一度もない人はほとんどいませんから大した病気でないことが多いのですが、重大な病気のサインである可能性もあります。まずは、正確な診断をして、安心してから治療を進める、というのが最も良いことです。
肛門科の病気は肛門の疾患に精通した医師に診てもらうのが最も良いのですが、たいていの肛門科の医師は肛門しか診ないために(あるいは、診られないために)全身の問題は後回しになります。また、多くの非肛門科の医師は
いぼ痔 ぐらいの経験しかないために肛門の多彩な疾患に対応できないことが多いものです。このような状況は過去も現在も変わっていません。
「どういう医師に診てもらうのがいいのか」
これは永遠の問題です。こと、自分の体と命にかかわる問題ですので、切実な問題です。
@ Googleの星の数で評価する方法: 医師を判断するときに、この頃ではgoogleの点数で評価する患者さんも多いようです。しかし、そもそも医療は医師と非医師の間で知識と経験の量に大きな隔たりがある領域ですので、その評価には一定の不正確さが伴います。また、待ち時間、病院の新しさ、受付事務員のひとがら
などで口コミの星の数が左右されますので、医療そのものの評価となると残念ながら不十分となってしまいます。(しかし、「医療というサービスを受ける」側からの評価という意味ではとても正直な点数であるということもできます。もっとも、口コミが操作されていなければ、という限定付きの話ですが、、、。不自然に口コミの星の数が多かったり、口コミの数そのものが多かったりすると、本当にそんなにgoogleに書き込む患者さんがおおいのかな、と不思議に思ってしまうこともあります。)
A 専門医を持っているかどうかで評価する方法: 専門医を持っているかどうかで評価することも一つの方法です。しかし、ある一定の年月、学会に属していてマークシート試験を受けお金を納めると専門医の資格を取得できる仕組みですから、ある一定のレベルに達していることを示す指標にはなるものの、匠のレベルに達しているかどうかの評価にはなりません。(参考にされることは大事です。)
B 学位(医学博士号)を持っていてかどうかで評価する方法: 学位は大学による研究のお墨付きのようなものです。学位を持っていることは、ある一定期間、その研究に従事しある一定の評価を得たことを示すものです。その場合注意しなければいけないことは、専門領域とは別の仕事で学位を取得していることがあります。例えば、肛門科の医師でありながら、胃がんや心臓病の研究で学位をとっている場合など。その場合には、肛門科が付け焼刃であることを示すことになります。
C 友人、知人、家族による評価: 結局、昔ながらの評価法に頼ることも多いものです。ちなみに、私が自分の専門以外の疾患で通院する場合は、これに頼ることになります。さらに、私は医師ですので、個人的にその医師の人柄をよく知れる立場にあります。人柄で決めることも多いです。特に、その方の高校生の頃を知っていれば信頼できる医師かどうかをかなり信憑性をもって判断することができます。高校生の頃信頼できる子供であった場合は、医師になっても信頼できる人間であることが確実であると私は信じています。それ以外では、決めることができません。
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当院では、肛門を専門にしているものの、それ以外の
消化器疾患や内科的疾患を診ています。また、心臓、糖尿病、泌尿器科の非常勤医師も在籍しています。
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「お尻から血が出る」:そんな時は
3大肛門疾患といわれる、内痔核、裂肛、痔ろうの3つの疾患の頻度が高いです。まず、その3つを説明します。
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「内痔核」はお尻の中(肛門の奥)、つまり直腸の一番下にある血管の塊のようなものです。その内痔核(別名、クッション組織)が大きくなって症状が出るものが病気としての「内痔核」です。直腸の中にとどまっているときは、出血だけの症状ですが、肛門の外に飛び出てくると、違和感が生じ、さらには痛みが出てきます。脱出の程度によって分類するGoligher先生の分類が世界中で使われていますが、出血だけであれば、飲み薬や付け薬、さらにジオンという注射薬がかなり効きます。脱出がひどくなるに従い、薬や注射に加えて、手術が必要になってきます。また、内痔核の脱出である「脱肛」と似ていて非なるものに「直腸脱」があります。診断には注意が必要です。
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「裂肛」は切れ痔、裂け痔といわれるものです。その病態には、内括約筋のスパズム(痙攣)がかかわっています。一般的に肛門疾患は男性に多いのですが、裂肛は、女性、特に20歳代から40歳代の方に多い病気です。放置すると肛門狭窄になることがあります。この病気も最初は薬で治療しますが、何度も再発を繰り返したり、痛みが激しかったりする場合は、内括約筋のスパズムをとる、手術をします。この手術は、患者さんから「こんなことならもっと早く手術をすればよかった」といわれる代表的な手術です。
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「痔ろう」は、肛門の中にあるクリプト(肛門陰窩)の炎症がもとになって起こる病気です。その初発は「肛門周囲膿瘍」といわれる、激痛を伴う病気で発症することが多く、その際は、緊急的に膿を除去する手術が必要です。この手術を局所麻酔で行うと「生涯忘れられない痛み」と形容される痛みを感じますので、しっかり麻酔をかけて手術をしてくれる病院を選ばれることをお勧めします。(20年前の手術の時の痛みを、まるで昨日のことのように語る患者さんがたくさんいます。)「肛門周囲膿瘍」の手術を適切い行っても約半数の患者さんが痔ろうという病気に移行するといわれています。痔ろうを形成した場合には、自然治癒はありませんから、手術が必要となります。
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ここで最も大切なことを言います。「お尻から血が出たり、膿が出たり、痛かったり、違和感があったり」した場合に、痔ではない病気のことがあります。癌や潰瘍、そのほかの病気でないことをしっかりチェックする必要があります。また、痔があっても、それ以外の病気を持っていないということはありませんから、注意深く診断することが望まれます。
肛門痛、肛門からの出血(下血・血便)、肛門違和感のある方は、肛門科の専門的な診察が必要です。
同時に全身的な視野で診察することも大切です。
当院は肛門疾患に対して専門的に治療すると同時にそれに付随する全身疾患に対しても治療と手術ができる数少ない施設です。




