【閉塞性大腸炎】
閉塞性大腸炎とは、大腸が閉塞し、便が詰まることによっておこる、大腸炎です。
腸の粘膜がもっているバリアーが壊れるので、敗血症になることがおおく、発熱を呈します。
大腸の腸閉塞(イレウス)の原因として、最も多いものは大腸癌ですが、閉塞性大腸炎を併発すると、つなぐべき腸の状態も悪化し、癌に対する手術治療が難しくなりますので、何らかの前治療が必要になります。
イレウスチューブという減圧用のチューブを鼻から入れて、大腸の減圧をする方法や、大腸内視鏡を使ってお尻から入れる方法、また、形状記憶合金を使ったステントで狭窄部を拡張させる方法などが、現在では、開発されています。どれも一長一短で完全なものはありませんから、どの治療法を選ぶ場合にも、その後の、注意深い観察が大事になります。
どの治療を選択するにせよ、治療を過信してはいけません。閉塞性大腸炎を併発していると、大腸には潰瘍が出来、また、腸の正常な蠕動運動がこわされていることがありますから、上手な技術でベストポジションにイレウスチューブを挿入しても、便の排出がうまくいかないで、病態を改善できないことがあるのですね。
すべてにいえることですが、どんな治療法でもそのテクニックがうまくいっても、治るのは患者さんの体がうまい具合に反応してくれることが必要なのですから、治療法やテクニックを過信してはいけませんね。
【the web 大腸・肛門・骨盤底疾患スペシャル】